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正しいと間違いと

「君は正しいのかい」 「私は正しいわ」 「どうして自分は正しいと言い切れる」 「それは私が私は正しいと信じているからよ」 「信じる、か。失礼だけど、僕は正しい人が嫌いなんだ」 「知っている」 「僕は僕が正しいとは到底信じられないし、誰よりも間違…

クズと豚

「あなたっていつも、うわのそらね」 「君はいつも、豚のようだよ」 「ひどい。あなたは人の心を持ってないのかしら」 「さてね。君は人の顔をしていないみたいだけど」 「あなたみたいなクズを気にかけるのは私くらいよ」 「君みたいなブスの話を聞くのは僕…

お母さん、わたし、

「お母さんの子になんて生まれたくなかったわ」 「あらあら、突然ひどいことを言うのね」 「こどもは両親を選んで生まれてくるって言うでしょう。そんなの嘘よ。わたしは絶対にお母さんを選んだりしないもの」 「そうねえ。でも私も、選べるならあなたなんて…

手をとりあって

「サラ、今日も下を向いて歩いているのね」「足元が不安定なのよ」「前を向いていないと、それこそ危ないわ」「誰かにぶつかって恋でも始まれば良いのに」「そんなこと思ってもいないでしょう?何を考えていたの」「何を…そう、人はどうして生が死より幸福だ…

風船

「ねえ、フィル、この間の話の続きだけれど」「この間の?」「ええ、幸せについての話よ。あなた、幸せはガムのようと言っていたわね」「ああその話かい。覚えているよ」「考えてみたのだけれど、フィルの考え方は、その、少し楽観的だと思うわ」「そうかな…