芳香剤

初体験

先日、引越しをした。前の住まいでは実家から少しずつ荷物を運び必要なものを買い揃えていったので、今回のような人が住んでいた空間をまるまる移動させるというのは初めてであった。私の「処女」を捧げた日と言えよう。

不慣れなことも多く、引越しを手伝ってくれた兄、父親は越す前の有り様に「なんでこんな生活感あふれてんの?」と愕然としていた。ダンボールは小さい4箱しか用意が無かったし、洗濯物は干しっぱなしであったし、とにかくすぐに引越しできるような状況ではなかった。それでもゴミ袋に、目に映るもの片っ端から突っ込むことでなんとか運び出し、その様は誰が見ても廃品回収だった。

中学生

新居に荷物を運び入れ荷ほどきをすると、袋の中で液体がこぼれたりしていて「やだ、こんなに濡れてる…///」と頬を赤らめつつ、適当に荷造りした割にはなんとかなったものである。

アパートの扉の前で一服し、向かいを見ればなんと中学校があるではないか。部活に精を出す中学生に思わず口角が上がったのは言うまでもない。
JCと 桜並木と 部活動

すき

越してから気づいたことだが、この街にはすき家がない。
「マツオは激怒した。必ず、かの吉野家を除かなければならぬと決意した。マツオには味がわからぬ。」

寂しい

引越しを終え家族が帰ると、途端に得体の知れない寂しさが襲ってきた。今までだって一人暮らしだったのになぜだろう、ともがき苦しみ、その時現れた一筋の糸。あれは、蜘蛛の糸…!

寂しさを紛らわせるには出会い系アプリがオススメだ。
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これらのアプリで知り会った方と、かれこれ半年以上は連絡を取り合っている。人生変わったと言っても過言ではない。ヤリ目の人は知らん頑張れ。

おやすみの味

このように、多くの支えの中でなんとか引越しを終え新生活を始めた私である。

これまであった楽しいこと、辛いこと。これからあるであろう楽しいこと、辛いことに思いを馳せていた。鏡の前で歯磨きをしたとき、私はこの日ずっと我慢していた涙を流してしまった。

「この歯ブラシめっちゃトイレの芳香剤の味する…」