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彼女との出会い

それは、見果てぬ夢

とても寒い、それでいて雪の降らない冬だった。肩をすぼめ俯きながら歩く人々はまるで希望のない囚人のように、いや、私自身この世界で誰からも見放された老いぼれの顔をしていたように思う。

人から楽しそうな話を聞くたびに、私は彼女が欲しいと思った。そして、私はそれを叶えるにはあまりに臆病だった。妄想することでしか満たせない心の隙間に入り込む風は冷たく、吐き出す白い息は行くあてのない空へと溶けていく。

嘲笑う、恋のキューピッド

迷信か、あるいは科学的根拠のある真実か。自慰行為を控えることが身体に良い効能を働くという。年明け、私はそんな話を思い出しながら、ジェダイの伝説「オナキン・スカイウォーカー」となるべく修行に身を投じることにした。

話を聞いた友人はひとしきり笑った後、煙草の火を消してこう言った。
「彼女が欲しいか?ならばくれてやろう。ただし一ヶ月間修行に耐えられたらな」
私は彼に疑いの目を向けた。修行に耐えれば、素敵な彼女を紹介してくれると言うのだ。そして、彼は嘲笑い、
「ま、無理だろうけどな」

1月上旬、罌粟、斜陽

何事も、初め三日間続けるのが厳しいものだ。逆に、なんとかその三日間の修行を耐えた私は自信ーーしかしながらそれは、無知によるところの錯覚ーーを得ていた。

体育の授業でハットトリックを決めた少年が自身の内に確固たる自信を見い出し、その道を選び挫折を味わう。誰が少年を責めることができるだろうか。

1月中旬、蠱物、業火

この頃になると、私はついに「成人向け動画」を解禁する。つまりアダルトヴィディオに手を出したのである。「抜かなきゃ大丈夫だから!」と自分に言い聞かせ、お気に入りのあの娘を見ながら妄想イキを習得した。

餌を前に待てと言われ涎を垂らす犬と、おかずを前に主食を待てと言われ汁を垂らす自分が重なり、幾度となく袖を濡らした日々。コロ助、あの時はごめんよ。

夢枕に、目を潤ませながら「無理しなくてもいいんだよ…?」と言う体操着の少女が現れたのもこの頃であった。

1月下旬、混濁、瓦解

んんっ!あっ…あっ…んぁ…ん…///
ぁん…ぁっ…あっあっあっっっんん…///
んあっ!!!イッ…イッ…イッ!!!!






イッてなあああああああああああああああああああああああああああああいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

世界の中心でアイを叫んだマツオ

ここはどこだろうか。ふと見渡せばかつての友人、親友、恩師、家族…たくさんの人たちがこちらを見て拍手をしている。

「「ワァー!ブラボーッ!」」
「おめでとう!」
「おめでとう!」
「おめでとう」
「おめでとう!」
「おめでとう!」
「おめでとう!」
「めでたいなぁ!」
「おめでとさん!」
「クックックワァクッ!」
「おめでとう!」
「おめでとう!」
「おめでとう!」
「おめでとう」
「「おめでとう」」

マツオ「ありがとう…」

父に、ありがとう
母に、さようなら
そして、全ての子供達(チルドレン)に、おめでとう

君は僕、僕は君

無事修行を乗り越えた私に、かの友人は二人の女性を紹介してくれた。その内の一人に恋をし、従順な彼女との関係はこともなく進展していった。

苦しみの日々にさよならを告げ、彼女と身体を重ね合う瞬間。彼女のまだ狭く冷たいソレをほぐし、熱を帯び湿潤する。猛る闘牛を使役させ、彼女のソレへと優しく導く。全ちんで彼女を感じながら確かめるように腰を動かし、深く、海底にまで差し込む燦然と輝く太陽が、刹那、溶け合い

僕と君は、ひとつになった。