ぼくは友達と遊びたい



こんにちは、まつをです。久しぶりにブログを書きます。本題の前に近況を話しますと、先日キングダムハーツの1.5、2.8、3を購入して廃人と化しています。もはやカイリのことしか頭にはありません。子どもの頃、カイリへの愛情が歪みに歪んで宇多田ヒカルに恋をしていたのはここだけの秘密です。

遊びたい

さて、本題です。タイトルに書いたとおり、ぼくは友達と遊びたい!遊びたい!遊び足りない!遊び足りない!繰り返される諸行無常!よみがえる性的衝動!冷凍都市の暮らし!行方知れずのアイツ!いつのまにか姿くらまし!

こんな話をすると「お、飲みに行こうよ!」みたいに声をかけてもらえたりしますが、ちがう、そうぢゃない。頭の中のJKが首を横に振ります。その時、揺れる髪からふわりとバーベナの香りが漂って脳内麻薬勃起侍になります。

いえ、飲みに誘ってもらえるのは本当にありがたいことで、嬉しいものなのですが、ぼくの言っている「遊び」は、そういうことではないのです。ぼくたちはいつのまにか、遊び=飲みと言われても違和感を感じない大人になってしまいました。

思い出してみてください。ぼくたちの陰部がまだモンジャラではなかった頃、ぼくたちの遊びといえば、町中を走り回り、自転車で駆け抜け、隣家の窓ガラスに石を投げてヒビを入れ、駄菓子屋の蒲焼さん太郎をつまみに公園で水道水を飲む。そういうものだったのです。酒も女もタバコもギャンブルもいりません。それでも馬鹿みたいに笑いあって、ヘトヘトになって、17時のチャイムが鳴ったら「じゃあね、バイバイ」とだけ言いあって別れてしまう。

どうしてぼくたちは、あの遊びをしなくなってしまったのでしょう。いつしか遊びといえばボーリングになって、スポッチャになって、カラオケになって、ショッピングになって、旅行になって、スノボになって、女遊びになって、麻雀になって、パチンコになって、飲み会になって、ゴルフになって……

ぼくは、遊びたい。町中にある、名前があるかどうかも分からない公園で。大人がそんなことをしていたら不審かもしれないけれど、そんなの、誰が決めたんだ。ぼくは遊ぶ、遊ぶぞ。

そんなわけで、ぼくが今遊びたい思い出の遊びをいくつか紹介します。お、と思うものがあったら今度一緒に遊びましょう。

ベーゴマ

コマでもなくベーゴマです。ベーゴマ。あれ、めっちゃ楽しいのをご存知ですか。

ぼくが小学生高学年の頃に現れた用務員さんはエレキギターが弾けるカッコいいおっちゃんでした。一方ぼくは、周囲から貴乃花と揶揄されてもめげずにチョコボールを食べ続け金のエンゼルを引き当てるような子どもでした。

シンプルにデブ(SD:Simple Dev)だったので、この頃のぼくには休み時間に校庭で駆け回るようなわんぱくさはありませんでした。そんなとき、カッコいい用務員さんはSDなぼくにベーゴマを教えてくれたのです。

ぼくはベーゴマに夢中になりました。コマとコマがぶつかり合う瞬間の「キンッ」という音、不規則な動き、時に起こる火花。鉄の匂いが染み付いた指で、人生をかけるみたいに何度も紐を巻く。

休み時間に用務員室の前でベーゴマに人生をかけるSD。この頃、不確定だったぼくの未来は非モテルートに確定されたように思います。

マンホール踏み

ぼくの地元ではなぜか、缶蹴りよりもマンホール踏みという遊びがポピュラーでした。その名前どおりの遊びで、オニが30秒数えている間に散り散りになった子どもたちが、オニの目を盗んでマンホールを踏む、というもの。缶蹴りのマンホール版ですね。同じように、オニは隠れた友達を見つけたら、先にマンホールを踏むことで相手を捕まえることができます。

よくよく考えてみると、見つけただの見つかってないだの、先に踏んだだの、誰が判定できるわけでもないので、ぼくたちの遊びはかなりの比重でぼくたちの誠実さに委ねられていたように思います。

ところで、「マンホール」ってとても、

たすけ

たすけ、という遊びをご存知ですか。これはローカルな遊びですか。もしかしてぼくはいま着々と自身の出身地を晒していますか。

ぼくたちのたすけ、とは、ドッジボールの亜種のようなものでした。

  • 陣地はなく、一緒に遊んでいる全員が敵
  • ボールを持っている人は3歩だけ動ける
  • ドッジボール同様、当てられた球を落としたらアウト
  • アウトになったら、その相手がアウトになるまで場外(転がったボールを拾ってあげたりはするが、ドッジボールの外野とは異なり戦うことはできない)
  • 最後まで残った1人が勝ち といった具合です。

これがまあ、なかなか盛り上がるのです。場外になったプレイヤーは、早く参加したいので自分を倒した相手がアウトになるよう他のプレイヤーを応援します。だいたい残り2人くらいになるとどちらも大量の犠牲の上に立っているので、他方がやられた瞬間に場外だったみんなが戦場に戻ってくるわけですね。

ぼくは運動音痴な上にSDだったので無論球技も苦手だったのですが、たすけは好きでした。決して強くもないしすぐにやられるのですが、球技にしては珍しく自分が下手くそでも誰にも迷惑をかけないんですね。その上、多くの人が一同に参加できる。

こういう球技って、実は他に無いんじゃないかと思います。大抵の球技はチームを求められるし、そうでない球技は個人戦で参加できる人数が限られます。自分以外みんな敵、というのはとてもスリリングですし、個人戦といいつつ自分がやられたら敵討ちをして欲しいので誰かを応援するというイベントが発生し、その誰かがやられてもそもそも先にやられた自分のせい、という構造になっているわけですね。

あー、書いていたらめっちゃたすけやりたくなってきました。ちなみにたすけは10人以上の大人数でやると楽しいです。

秘密基地作り

君と夏の終わり 将来の夢

大きな希望 忘れない

10年後の8月 また出会えるのを 信じて

最高の思い出を…







めんまあああああああああああああ!!!!!!!!





ぼくの地元では、秘密基地作りとはもっぱら「穴を掘ること」でした。まったくもって意味不明なんですが、秘密基地作りと称してがむしゃらに穴を掘っていました。それはもうamazarashiもびっくりするくらい穴を掘っていました。きっと、あのまま掘り続けていたら地下都市カッパドキアが出来上がっていたのだろうと思います。

秘密基地作り(穴掘り)の副産物的な遊びとして、泥だんご作りがありました。泥だんご作りはなかなか奥が深く、土質を考慮してコア部分と表層部分で使用する土を使い分けたり、混ぜる水量を調整することでより美しく、硬い泥だんごを作り出すことができます。

だいたい秘密基地作りは草陰になっているマンションの裏などで秘密裏に進められていたので、誰かが近づいてきたら泥だんごを投げつけて威嚇するわけですね。とんだクソガキですね。

秘密基地作りは複数日かけて進められるのですが、穴はある日突然、まるで全てが夢だったかのように埋め立てられて消えているのでした。あの時の寂しさ、悔しさは今でも心に刻まれ、幻の地下都市に想いを馳せてしまいます。

マンション鬼ごっこ

これ!これがいまやりたい!マンション鬼ごっこ!!

名前のとおり、マンションで鬼ごっこをするというもの。逃げていい範囲はマンションの敷地内に限られ、エレベーターや非常階段を駆使して逃げたり追いかけたりするわけですね。マンション内は死角も多いのでかくれんぼ要素もあり、サバイバルの様相を呈するのです。加えて住人に見つかると怒られる、というスリルもあり、住人とすれ違うときはあたかも「友達の家に遊びにきたふり」をしたりします。

SDなぼくは鬼ごっこをすると、すぐにオニになり誰も捕まえられないため、みんなから憐憫の目を向けられ「もういいよ」と言われタッチさせてもらえるという、惨めな子どもでした。

そんなぼくでも、マンション鬼ごっこなら互角に戦えました。「エレベーターで降りていったな…2階で待ち伏せるか」みたいに戦略次第では身体的な能力の差を埋めることができたのです。エレベーターに逃げ込んで扉が閉まるまでの間、オニが向かってくるスリルはさながら、サイレントヒルの廃病院で三角頭が追いかけてきたときのようでした。

終わりに

遊びたい、などと声高に何度も言っていますが、ぼくはあまり友達を大切にできませんでした。怠惰で年賀状はもらっても返さず、自分から友達を何かに誘うこともしませんでした。そうこうしているうちに、小学生の頃いっしょに遊んでいた友達とは誰とも連絡を取り合わなくなってしまいました。

今でも、昼間、家で1人寝転んでいると、約束もないのに窓の外で「あそぼー!」と騒ぐ友達の声が聞こえてきたような気がして、懐かしいような、寂しいような気持ちに襲われることがあります。

「ねえ、大人って楽しい?」

そんなとき、SDの頃のぼくが目の間に現れて、無邪気な笑顔で今のぼくにそう尋ねます。うーん、どうだろう。頭の中のJKが苦笑いをして首を傾けると、揺れる髪からふわりとバーベナの香りが漂って脳内麻薬勃起侍になってしまうのでした。