西千葉の暮らし
昼過ぎに起きて寝ぼけ眼で目をこすり、便座の冷たさに苛立って舌打ち。洗面はなく台所で済ませる歯磨き。ひどい寝癖を乱暴に掻きながら霧吹き、雑に整える前髪。
西千葉の暮らし。
丁寧にトースターに入れた食パンは8枚切り。ハムとチーズを挟んで頬張り、皿は洗剤でつけ置き。昨日干したままのシャツは生乾き、しわくちゃのパーカーを手に取り、着回し続けてくたびれた上着。
西千葉の暮らし。
総武線各駅停車に揺られて船橋。バイトのお供にアルフォートを買うコンビニ。無心で働くうちに陽は落ち、気づけば9時過ぎ。ぼやけた頭で家路につき、西友で手にした弁当は20%引き。
西千葉の暮らし。
一度も沸かしたことのないバランス釜に小蝿の死体、湯量と反比例で冷たくなるシャワーに身震い。髪を自然乾燥させながらギターをかき鳴らし、次第に凍える足先。夏用布団からこぼれる温もり、逃がさないよう横になっても体育座り。
西千葉の暮らし。